朝起きて口の中に鋭い痛みを感じ、鏡を見ると白く縁取られた口内炎ができていたという経験は誰にでもあるはずです。1つできるだけでも食事や会話が苦痛になり、1日中その痛みが気になって仕事や家事に集中できなくなるものです。そんな時、多くの人が「何日か待てば治るだろう」と我慢してしまいますが、実は適切な診療科を受診することで、その苦痛を劇的に短縮できることを知っている人は意外と多くありません。では、実際に病院へ行くなら何科がベストなのでしょうか。私たちが真っ先に思い浮かべるのは歯科かもしれませんが、実はお口の粘膜のトラブルは耳鼻咽喉科でも専門的に扱っています。どちらを選ぶべきか迷った時の判断基準として、口内炎ができた場所や原因を考えてみましょう。もし、親知らずが当たっていたり、入れ歯が擦れていたりといった、歯や噛み合わせに関連する自覚症状があるなら歯科が最適です。歯科医は口腔内の構造を熟知しており、物理的な刺激を取り除きながら、粘膜の治療も並行して行ってくれます。一方で、風邪気味だったり、喉の奥まで痛みが広がっていたり、あるいは鼻の調子も悪いという場合には、耳鼻咽喉科を受診するのが賢明です。耳鼻咽喉科は粘膜の炎症に対する内服薬や外用薬の処方に慣れており、喉の専門的な視点から症状を診断してくれます。また、意外と見落とされがちなのが、口内炎が何度も再発する場合や、体全体がだるい時に頼りになる内科です。口内炎は、私たちの体力が低下している時や、ビタミンB2やB6などの栄養が不足している時に現れるSOSサインでもあります。内科では、血液検査によって体内の栄養状態や炎症の程度を数値で確認できるため、根本的な体質改善のアドバイスを受けることができます。最近では、仕事のストレスが原因で自律神経が乱れ、それが口内炎となって現れるケースも増えています。このような場合、何科であっても「いつから」「いくつ」「どのような痛みか」を詳しく医師に伝えることが、正確な診断への近道となります。病院へ行くメリットは、薬の処方だけでなく、それが「単なる口内炎」であることを確認してもらえるという安心感にもあります。ごく稀にですが、口内炎だと思っていたものが重大な病気の初期症状であることもあるからです。2週間以上経っても治らない、あるいは徐々に大きくなっているといった違和感があるなら、それは病院へ行くべき明確な合図です。「たかが口内炎で」と遠慮する必要はありません。お口の中の平和を取り戻すために、歯科、耳鼻咽喉科、内科の中から、自分の症状に最も近いと感じる診療科を選んで、プロの力を借りてみてください。
痛い口内炎を早く治すために行くべき場所