下唇の腫れで病院へ行くべき危険なサイン
下唇の腫れは、多くの場合、数日で自然に軽快しますが、中には早急に医療機関を受診すべき危険なサインが隠れていることもあります。たかが唇の腫れと侮らず、自分の状態をよく観察し、これらのサインを見逃さないことが重要です。最も注意すべき危険なサインは、「呼吸困難」や「息苦しさ」を伴う場合です。唇の腫れがアレルギー反応(アナフィラキシー)の一部として起きている場合、喉の粘膜も同時に腫れて気道を塞いでしまう可能性があります。これは命に関わる非常に危険な状態ですので、少しでも息がしにくい、声がかすれる、喉が締め付けられるような感覚があれば、迷わず救急車を要請してください。次に、「腫れが唇だけでなく、顔全体や体にも広がっている」場合も注意が必要です。特に、まぶたや舌まで腫れてきたり、全身にじんましんが出たりしている場合は、重度のアレルギー反応が疑われます。また、「高熱や激しい痛みを伴う」場合も、単なる腫れではない可能性があります。細菌感染が広がって蜂窩織炎(ほうかしきえん)などを起こしていることも考えられ、抗生物質による治療が必要となることがあります。さらに、「二週間以上たっても腫れが引かない、またはしこりのように硬くなってきた」場合も、放置してはいけません。稀ではありますが、口腔がんなどの悪性腫瘍の可能性も考慮する必要があるため、必ず専門医の診察を受けるべきです。これらの症状がない場合でも、腫れが日常生活に支障をきたすほどひどい場合や、原因がわからず不安な場合は、我慢せずに皮膚科やアレルギー科、歯科口腔外科などを受診しましょう。